あしたの、喜多善男と言うドラマがあります。動画が公開されていて巷では話題のドラマです。カレーが大好きな喜多善男だけではなく、吉高由里子(宵町しのぶ)の演技力も引き込まれる不思議なドラマです。
あしたの喜多善男と言ドラマがあります。小日向文世が主役を演じる素朴な喜多善男がこの世と別れるまでの11日間を綴った内容ですが、その内容の深さに引き込まれている人は多いのではないでしょうか?倫理的な内容を考慮してか、タイトルや内容は原作とは変わっていますが、それでも喜多善男を取り巻く不思議な環境は、出演しているキャストを見ても十分に伝わってきます。中でもこのドラマでは二人の人物がとても際立っています。一人はあの故松田優作氏の長男である松田龍平氏の危険な魅力。ドラマの中ではスカウトマンとして八代平太を演じていますが、一瞬の動きやその声に、若き日の松田優作を感じている人は多いのではないでしょうか?そして、もう一人吉高由里子が演じる宵町しのぶの存在。その余りに自然でいて細かな演技力は、とてもその年齢からは信じられないものを感じてしまいます。まだ、このような演技力を持つ人がいる事だけでも驚きです。ドラマでは11に縁がある喜多善男が最後に会いたい一人として、八代平太氏からアポをセッティングされるが、その飾らない人間性に惹かれて行く宵町しのぶの行動がさらに好奇心を掻き立ててくれる内容となっている。人は、それぞれの寿命においていつかは命を失ってしまう。しかし、このドラマの主人公は自らその命を11日後に終わらせる事を決意するのであるが、人生は生きようとする人の展開と、喜多善男のように終わらせよとする人の展開とは全く違う環境を作り出していく。なぜ、今この内容なのか?今の時代背景を受けて、この喜多善男の生き方は何を伝えようとしているのか、それは見ている者へ常に語りかけてくる無言の声となって私たちに伝えてきます。喜多善男の動画も一部公開されています。興味がある人は一度その独特の雰囲気を感じてみて下さい。
小日向文世さんが演じる喜多善男さんを筆頭に、このドラマではとても個性の光る俳優さんが集まっています。その何人かを紹介すると、八代平太役の松田龍平氏。個人的には視聴率で比較されている弟よりも数段魅力的に感じます。おそらく、亡き父の面影を強く残しているからかも知れません。鷲巣みずほ役の小西真奈美。長谷川リカ役の栗山千明は、そのインパクトの強い雰囲気が一瞬にして独特の世界へと私たちを引き込んでくれます。そして気になったのが、プー役の渡辺万美の存在。キャバクラのホステス役でよく踊っているシーンがあったが、実はヒップコンテストで優勝している新人だったんですね。いきなり飛び込んできた世界で、あれだけの演技が出来るとは正直驚かされます。そして、三波貴男役の今井雅之氏。この熱い今井さんが今後の内容の鍵を握っているのがとても興味があります。今井雅之さんは、その経歴が元陸上自衛隊の第三戦車大隊に所属していたという変わった経歴の持ち主。その怖そうな風貌とは違って、内面はとっても優しい雰囲気を持つ才能ある俳優ですね。で、最後の注目は片山氏を演じている元外科医の殺し屋である抜水洋一氏。優しくてドジな殺し屋を演じていますが、これら豪華な人選を一体誰がしたのか、その才能には正直驚くばかりですね。弟五話では、喜多善男の中学時代の教師と偶然箱根で再開するが、この教師役を演じていた梅野泰靖氏の演技がとても演技とは思えない域に達していました。これだけの豪華な俳優によって作られているドラマ。その内容も、他とは比較にならないほど意味が深く、人生の意味を問いかけてくれます。
あしたの喜多善男と言う名前は、原作では自由死刑と言う島田雅彦氏の小説が元になっています。その小説の内容を、ドラマでそのまま表現する事は出来なかったにせよ、大切なメッセージは小説以上に伝わっていると思えます。それぞれの人生の中で、人はかけがいの無い相手が必ず存在します。それは、人によっては家族であったり友人であったりと様々ですが、その相手を若くして亡くしている人も当然いるわけです。しかし、この喜多善男と言う人物は、自分の不幸な人生に終止符を打つために、残りの人生に11日間と言う期限を設けてその時間を精一杯生きようとします。でも、ここに人生のトリックがあるんですね。よく考えてみれば、人は誰でも例外なく生まれた時から期限があり、本来は喜多善男さん同様に、今この瞬間の人生を精一杯生きなければならない立場にいるのですから。そう考えると、人生とは何かに定義を作り、それを全うしようとする行動の連続なのでしょうか?結局のところ、それは各々に与えられた自由と言う選択肢の中から判断していかなくてはなりません。原作が自由死刑とありましたが、これは裏を返せば毎日の人生を少し皮肉っているとても的確な表現ではないかと思います。生きようとして展開される人生もあれば、死のうと決めてから展開される人生もある。そして、その人生を演出してくれるのが私たちの周りにいる人間であれば、このドラマは人生を創って行く新たな要素に気がつくきっかけになるかも知れませんね。